2022/02/06 13:23
私たちが日常的に着物を着なくなって久しく、既製品の洋服で育った私が、とあるきっかけで着物を手にしたとき、着物文化という形式よりも、まず布地の美しさに目を奪われてしまいました。
美しい《和の布》との出会いは、それまで縁のなかった和文化にふれてみようと、生花や茶道とともに着物を着るようになったことからはじまります。
着物というと、加賀友禅などの訪問着をイメージしていた私は、初めて入った着物屋さんで、絞りや銘仙、紬などを手に取った時に、手触りも良く、それぞれに味わい深い、多種多様な着物地があることに驚いてしまいました。
帯地も同様に、ほっこりした手紬ぎの帯や、つややかな綸子に凝った意匠&刺繍などの帯を見て、感動したことを思い出します。
《和の布》に出会った私は、すっかり魅了されてしまい、その後は、機会を見つけて着物を着るようになりました。ただ、当時暮らしていた東京の街中で、働きながら、いつも時間に追われているような生活では、頻繁に着物を着ることはできませんでした。
素晴らしい“Japanese Vintage Fabric”と呼べる着物地や帯地。リサイクルショップなどでは、私たちが着なくなった着物地が山ほど積まれて、手に取ってもらう機会を待っています。
それらをもっと、現代の私たちの生活の中に自然にとけこみつつ、いつも身近にあって、愛着がもてるような形にすることは出来ないだろうか...という想いから、洋服にも合わせて持てるような、少し個性的なバッグやポーチにリメイクするようになりました。
まだまだ理想のかたちには届かないものの、〈唐花屋〉の着物リメイクのバッグやポーチなどをお使いいただくことで、私たちのこれまでに培ってきた文化の名残りをいつも身近に感じていただけることができたら、嬉しいです。